R7年6月の俳句:短歌:川柳 投稿壇  

 ◎総評:俳句に取り組む、皆様の努力にその熱意を嬉しく思っています。

     思っていますが、歳時記を繰り返し繰り返して捲って下さい。そうする事で、

     季語が持つ意味や意義が解り季重りも防げる事でしょう。一番大切な事です。

   ※「俳句するに際しては先ず歳時記を捲って(めくって)この句に使用した季語の否諾を

    考えてみましょう。句に対して妥当である季語が大切なのです。歳時記を読み返しましょう」。

   ◎今月の兼題は【立夏】・【薔薇】

   ◎来月の兼題は【紫陽花】・【浴衣】

●文芸編集部より

寸評:推敲:選者=片桐基城先生                       

※複数の句の投稿者の方へ:寸評、添削は一人一句をして居りますのでご了承お願い致します。

 (先生は投稿句全句を推敲成され、その中で佳句を一人一句として挙げて居ります。)

   紙面の都合上、選外の作品は掲載致しませんので御了承の程宜しくお願い致します。

 

 ☆優秀句を一席~三席との表記を「天・地・人」としました。

  他の表記は「◎」次点、「〇」次々点、「」次々次々点。

 【毎月の投稿〆切日=8日】

 

☆俳句の部 

〔清澤 修:壬生一

天:「山合の木漏れ日まぶし立夏かな」

寸評:あぁ夏だなぁ・・と、誰しも思うであろう事をさり気無く訴えている素敵な句です。

     鋭い感覚を、綺麗に具象していますが、あと一歩突っ込んで欲しいです。

     「山合の」でなく「山間の」ですね。

 

 〔角田和道:今光一

地:「妻の薔薇部屋から庭へ移り住む」 

寸評:庭で育った鉢の薔薇を室内に入れ朝に晩に楽しんでいたのですね。奥様と共に満喫

     したので、来年もまたと願いながら庭に戻してあげる優しい心の句です。

 

〔石川けい子:城東二

人:「夏服のポニーテールの女学生」

寸評:更衣した女学生の、ポニーテールの髪先が揺れる、活き活きとした姿を目の前に

     見ているような現実味にある健康的な句です。「夏の服」を下にしたいです。

 

〔林  弘:壬生二

「青き空燃え盛る火のごとき薔薇」

寸評:咲き充ちて今を盛りに咲く赤い薔薇でしょうか。俳句は中七で決まると言う言葉通り

     の比喩が効いています。が、上五文字は「空に向き」とかにしたいです。

 

〔苅部文子:矢板〕

「湯上りの浴衣姿に笑顔見る」

寸評:風呂からあがったばかりで火照った顔を見て、「笑顔」と捉えた措辞が、意外なとも言えて

     素晴らしいい句ですが、「・・・の笑顔かな」と、かな止めにしたいです。

    ※「措辞」/(そじ)=詩や文章のなかで言葉の使い方や語句の配置の仕方の意。

 

 〔大和佳子:松原

 「軽やかに心がはずむ立夏かな」

 寸評:夏の初めは、気も軽々しくなり何処か解放された気分を抱きますが、其処を中七で詠っている

     ので「軽やか」は言わず、「手をひろげ」「手を挙げて」位では。

 

〔安保 孝:江二

「黄昏の里のふもとに薔薇の園」

寸評:薔薇園の場を、中七文字全てを以て詠うのは勿体無いので、形容動詞を加えて詩心を入れて

     詠ってみましょう。

 添削:「暮れ泥む町に小さな薔薇の園」

     

 〔濵口明子:寺内〕 

「去りがたき夢亡き友の四畳半」

寸評:想い出の四畳半と夢を川柳では勿体なく思います。季語を入れ(春)、夢の場の動きを止めてで

    立派な俳句に成ります。

 添削:「亡き友の夢あるの四畳半」

 

〔石岡ノブ:高根沢

「溌溂と子等の掛声風薫る」

 寸評:心地よい風に乗って球技でもしているのでしょうか。季語が活きています。

 

 

〔澤村まつ子:矢板

「うんざりだことしも暑い夏が来る」

寸評:川柳風ですが、誰しもがそう感じそう思う事を滑稽に詠うのが俳句です。

 

〔渡邉孝之:江二

「白薔薇に想いを託し鋏入れ」

寸評:「鋏入れに誤解が浮かびそうです。上下逆に。

 添削:「鋏して思いを託す白い薔薇」

 

 〔金子敏枝:江二

「野ばら咲く小径にぎやか鳥の声」

寸評:鳥が、薔薇を讃えてないているのだから。

 添削:「咲く薔薇を讃えるように鳥が鳴く」  

 

〔福田時子:江二

「夏来る心浮き浮き遠出する」

寸評:「くる」「する」で主体が曖昧です。

添削:「浮き浮きと遠出の旅の夏がくる」

 

〔青木幸子:事務員

「薔薇の香にふうわり顔を寄せし君」

寸評:「ふうわり」をやめ表現を揃えて。

添削:「ふんわりと薔薇のかおりに顔を寄す」

 

〔植木誠一:西原

「バラよりも香り漂う我が妻か」

寸評:強い香りの奥様を詠った川柳ですね。

添削:「薔薇に似た香りを放つ愚妻かな」

 

〔清澤 剛:壬生一

「トラクター後からアオサギ食事する」

 寸評:「・・・の後から」の意ですか?。助詞をいれて。

 添削:「アオサギがトラクターを背に餌を摂る」

 

〔金子龍夫:江二

「雨蛙雨を降らせて虹の橋」

 寸評:「雨蛙」「虹」季重り句です。

添削:「雨あがり競うて鳴ける雨蛙」

 

※編集後記:細心の注意を払って誤植、脱字、書き違いが無いように編集して居りますが

      もしそのような事が有りましたらお許しください。又、文芸編集部までお知らせ下さい。

        

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