R7年7月の俳句:短歌:川柳 投稿壇  

 ※総評:片桐基城

 ◎今月号から、皆様から頂戴しました全ての作品から10句の作品を厳選抄出した後、夫々の

   句の完成度合いにより順位を決めて鑑賞に当らせて頂きます。

   尚、これに伴い、優劣の「天、地、人、次点、次次点」の評価を廃止致します。

   今月より優劣の表記は「特選、秀逸、入選、佳作」選外を「予選」とします。

   奇しくも、その「10句」から選出を外れた方は、それを刺激に翌月の投句に専念して下さ

   いますよう。次回に対しての励みになればと思うばかりです。

   ※「俳句するに際しては先ず歳時記を捲って(めくって)この句に使用した季語の否諾を

    考えてみましょう。句に対して妥当である季語が大切なのです。歳時記を読み返しましょう」。

   ◎今月の兼題は【紫陽花】・【浴衣

   ◎来月の兼題は【汗】・【夕立】

●文芸編集部より

寸評:推敲:選者=片桐基城先生                       

※複数の句の投稿者の方へ:寸評、添削は一人一句をして居りますのでご了承お願い致します。

 (先生は投稿句全句を推敲成され、その中で佳句を一人一句として挙げて居ります。)

  ☆スマホでのグーグル語句検索を推奨致します。スマホ検索を上手に活用して下さい。

 ☆特選一句、秀逸一句、入選、佳作(全作品10句)

 【毎月の投稿〆切日=8日】

 

☆俳句の部 

〔大和佳子:松原

特選:「公園に一際目立つ額の花」

寸評:兎角、俳句はああも言いたいこうも言いたくなりますが、掲句の様に多くを言わずに

     多くを語ってこそ、深みのある想像の世界が見えてくるものです。

 

 〔青木幸子:事務員

秀逸:「紫陽花やあるじ亡き家雨静か」 

寸評:空き家と言わない中七の措辞から、紫陽花を前衛とした、とある屋敷の景が広がって

     見えてきます。「あ音」の調べにのった趣き感銘しました。

 

〔金子龍夫:江二

入選「薔薇の棘針柔らかに雨に濡れ」

寸評:句の焦点を、いまを盛りにと咲く薔薇の花ではなく、「棘」に置いたればこそ成功した

     と思っています。構成を工夫して柔らかさを強く訴えたいですね。

 

〔渡邉孝之:江二

入選「雨曇り手折り挿したる四葩かな」

寸評:挿し花を下のは小柄な紫陽花でしょうか。雨が降ってきそうなので、用意した花瓶に

     挿し終え、ほっと喜悦している作者が見えてくる句です。

 

〔苅部文子:矢板〕

入選:「朝露に光る紫陽花風そよぐ」

寸評:大気から降りた紫陽花への露が、日を浴びてきらきらと濡れ光輝いている所を突いた

     素敵な句です。風のそよぎは言わないで想像に任せましょう。

 

 〔金子敏枝:江二

 佳作:「お揃いの浴衣懐かし母の顔

 寸評:このお揃いの浴衣は母親が誂えたものですね。その思いに馳せる母御さんが目に映って

     見えてきます。「懐かし」は不要で「・・・浮かぶ」です。

 

〔福田時子:江二

佳作:「紫陽花に心奪われ散歩道」

寸評:「奪われ」ではなく「奪わる」と終止形にして心の意思をはっきりしませんか。そして、最後は

    「散歩かな」とかな止めにして言い切りましょう。

 

 

 〔石岡ノブ:高根沢〕 

佳作:「旅の宿浴衣選びも車座に」

寸評:宿に着いてほっとしたのも束の間の仕草が心地よく見えてきます。この句倒置詠法の句で、

    下五の言葉が上に戻って意味をひろげる詠い方です。

 

 

〔植木誠一:西原

佳作:「浴衣着る妻の姿に惚れ直す」

寸評:こう言った事は、詠いたくなっても歌いだせないのですが、誰しもが菴替え思い付きながら踏み

    切れないでも、奥ゆかしい心を素直に詠っています。

 

〔濵口宇清:寺内

佳作:「あじさいの咲く道を行くわらべたち」

寸評:通学途中の児童たちの、整然と歩いている真剣な表情が浮かび上がって見えてくる句です。

     中七に詩情を入れて。

 添削:「あじさいに出迎えられる通学路

 

※季重り句※

〔安保 孝:江二〕

「見惚れたり浴衣可愛や手鞠娘」

・浴衣:夏//手鞠:新年

 

〔渡邉孝之:江二

「朝陽浴び朝顔咲きぬ染浴衣

 

・ 朝顔:秋//浴衣:夏

 

〔植木誠一:西原

「風呂上り浴衣で一杯月見酒

浴衣:夏//月見:秋

 

 

〔濵口宇清:寺内

入梅に肌寒しけば衣がえ

・入梅:夏//寒し:冬//衣替え:夏

 

 

☆短歌の部

 〔濱口明子:寺内

・「子らと手つなぎ一輪車向かい風切る」

 寸評:読み手としては、一輪車の存在が明らかでなく焦点が曖昧なので、語を絞ってみます。

    一輪車を削ったら如何でしょう。

添削:「子等と手を繋いで向かい風を切る

 

【予選】

・新調の浴衣幾度も袖通し    (大和佳子:松原)/・紫陽花の葉に残りたる点々や(清澤修:壬生一)

・入梅に肌寒しけば衣替え   (濵口宇清:寺内)/・照らせやと学びの途に咲くあじさい花よ (濱口明子:寺内)

・紫陽花に願いを乗せて息子住む街 (濱口明子:寺内)/・衣替え一枚脱いで歩き出す(石岡ノブ:高根沢)

・遊び来て乱れし浴衣孫二人(林  弘:壬生二)/・浴衣着て芸人気取りすまし顔(福田時子:江二)

・妣の手の揃いの浴衣佃の夜(角田則子:今光一)/・湯上りの可愛くみえる宿浴衣(石川けい子:城東二)

・恋成就浴衣はうちの勝負服(安保 孝:江二)/・この雨を君にあげよう梅雨ツーユー(安保 孝:江二)

・紫陽花の雨に濡れし万華鏡(金子龍夫:江二)/・境内に可憐に咲くは紫陽花か(植木誠一:西原)

 

※編集後記:細心の注意を払って誤植、脱字、書き違いが無いように編集して居りますが

      もしそのような事が有りましたらお許しください。又、文芸編集部までお知らせ下さい。      

 ご信者皆様の投稿 、奮ってご参加ご披露をお待ち申し上げます。  【毎月投稿〆切日=8日】

 投稿ご希望の方は事務所へ提出、若しくは宇清師、陽哲師、渡邉孝之までお申し込みください。

 投稿フォームでも受付しております。

 受付次第ホームページに掲載させて頂きます。  

俳句・短歌・詩・小説・マンガなど。あれもこれもご披露ください。