R7年8月の俳句:短歌:川柳 投稿壇  

 ※総評:片桐基城

 ◎今年の夏は、異常な暑さに見舞われたかと思ったら肌寒くなったりで、俳句するのにもその意外性

  をどう詠えばいいのやらの難しさに覆われています。ま、極く普通に意を貫いてみればこその重いに

  引っ張られるばかりです。初めにお断りしますが、今月は天に地に推す句に見当たることが出来ず

  大事な二句の欠落に始まることをお許しください。尚、これからの俳句レベルの向上を無慮判別させて

  いただこうと思っていることをお許しください。

   ※「俳句するに際しては先ず歳時記を捲って(めくって)この句に使用した季語の否諾を

    考えてみましょう。、句に対して妥当である季語が大切なのです。歳時記を読み返しましょう」。

   ◎今月の兼題は【汗】・【夕立

   ◎来月の兼題は【夕立】・【台風】・【残暑】

●文芸編集部より

寸評:推敲:選者=片桐基城先生                       

※複数の句の投稿者の方へ:寸評、添削は一人一句をして居りますのでご了承お願い致します。

 (先生は投稿句全句を推敲成され、その中で佳句を一人一句として挙げて居ります。)

  ☆スマホでのグーグル語句検索を推奨致します。スマホ検索を上手に活用して下さい。

 ☆特選一句、秀逸一句、入選、佳作(全作品10句)

 【毎月の投稿〆切日=8日】

 

☆俳句の部 

 

特選:該当者なし

 

 

秀逸:該当者なし

 

  

〔渡邉孝之:江二

入選「汗を拭く吾が手のしわに老いを知り」

寸評:知りは、他の動詞助詞と合わせ「知りたい」とか用います。掲句「知る」で句が

     活きますね。俳句には一人称は俳句に既に詠われていますので不要です。

     良いところを突いた句です。無駄な語を省略しましょう。

 

〔大和佳子:松原〕

入選:「夕立や草木も踊る激しさよ」

寸評:時に突風を伴う積乱雲による驟雨を夕立と言いますので「はげしさ」は敢えて

     言う必要はないながら、命令形を訴えでもありましょう。切れの効いた句。

 

 〔金子敏枝:江二

 入選アルプスを眺め汗ふく塩の道

 寸評:塩や海産物などの物資を運んだ道を言いますが、松本と塩尻を結ぶ千国街道が

     有名ですね。壮大な北アルプスの全貌を眺めながら汗を拭いている様子が見えて

     きます。

 

〔安保 孝:江二

佳作:「夢破れ夕立浴びてなだ隠す」

寸評:敗れた夢によって浮かぶ涙を夕立が隠してくれたのですね。面白く詠っていますが

    一句一動詞を基本に詠いあげるように推敲を徹底しましょう。例えば「夕立後…」

    で動詞が減りますね。

 

 〔林  弘:壬生二〕 

佳作:「夕立の後に出掛ける千鳥足」

寸評:夕立が上がり、それでは…と、酒の場を立って歩きだしている様子が見えてきます。

    「出掛ける」に詩心が無いので「…ご機嫌そうな」とか。

 

〔清澤 修:壬生一

佳作:「夕立に追われて急ぐ子の迎え」

寸評:夕立が来そうな様子が高まい、子供さんを迎えに行かねば、と慌てている親御さんの仕草が

    こころが見えてきます。が、「夕立が来る気配に急ぐ保育園」とか、実際の状況をはっきり

    言いたいですね。

 

〔濵口明子:寺内

佳作:「夕立や宮の路面電車に湯気」

 

〔金子龍夫:江二〕

佳作:「甲子園玉の汗かく高校生」

寸評:掲げた二句は、鑑賞前に心得て頂きたい句柄と思って読んで頂きたく掲げた事をご了解

     してください。そんな失礼を先ずお詫びします。前句、無駄(半透明な)語を消しましょう。  

     下五はもっと近代的に読み替えてみます。『LRTの屋根に湯気立つ夕立後』。

     後句は、上・下が名詞なため、俗に山本山と言われる句です。そうした安直を詠わず、

     こころを揺らしたいですね。『空高く舞う球音や汗しとど』。

 

☆短歌の部

 〔石岡ノブ:高根沢〕

・「A面でもB面でもない我が暮らし心のオアシスショパンの調べ」

 寸評:中心を云うA面に対するB面の何れでも無い日常の心を巧みに掬っている歌ですね。

    悲しくない悲しみを持つではないと自身に言い聞かせているような素敵な歌ですね。

 

〔福田時子:江二〕 

・「汗だくで庭の除草に明け暮れる心の草も抜けるものなら」

寸評:俳句では、倒置詠法と云う基本の詠い方がありますが、掲示しましたこの歌が正しく

    似たようなもので「抜けるものなら」で除草なれないかと詠っているのでしょうね。

    七七字の功応用でしょうか。

  

【鑑賞外の作品

・汗ひかず乾く暇なしハンカチや(清澤修:壬生一)/・闘ったパジャマにのこる赤い汗(石川けい子:城東二)

・灼熱の中で飲む味泡光る(石岡ノブ:高根沢)/・園庭で追いかけごっこ玉の汗(金子敏枝:江二)

・急登越え汗出た分水甘き(林  弘:壬生二)/・夕立に走り出す先軒下へ(苅部文子:矢板)

・夕立や買い物帰りとうせんぼ(角田則子:今光一)/・夕立や期待外れの雨どこぞ(澤村まつ子:矢板)

・汗飛ばしあの雲追ってあゝ帰郷(安保 孝:江二)/・あと少し夕立ち連れて急ぐ家(石川けい子:城東二)

・雨上がり夕日輝く虹の橋(金子龍夫:江二)/・夕立さり数十分後に雲も去り(渡邉孝之:江二)

 

※編集後記:細心の注意を払って誤植、脱字、書き違いが無いように編集して居りますが

      もしそのような事が有りましたらお許しください。又、文芸編集部までお知らせ下さい。      

 ご信者皆様の投稿 、奮ってご参加ご披露をお待ち申し上げます。  【毎月投稿〆切日=8日】

 投稿ご希望の方は事務所へ提出、若しくは宇清師、陽哲師、渡邉孝之までお申し込みください。

 投稿フォームでも受付しております。

 受付次第ホームページに掲載させて頂きます。  

俳句・短歌・詩・小説・マンガなど。あれもこれもご披露ください。